漫画 / 1ポンドの福音
★★★★☆
高橋留美子のボクシング漫画。
天性のハードパンチャーである畑中耕作は、恐ろしく減量が下手なため、ランキングとは縁のないボクサー人生。そんな男の前に現れた可憐な修道女。愛する女性のためにボクサー人生に変化は訪れるのか?
物語の構成は各エピソードで大きな変化はない。適当なライバルが現れては、主人公は試合以前に減量と戦う。
それも必死になって減量をするわけでなく、周囲が目を離すと食欲を優先してしまうという設定は、ボクシング漫画としては面白い着眼点だと思う。
ただ惜しむらくはヒロインの魅力がイマイチな点である。
確かに可愛く可憐であるが、それだけ…
『めぞん一刻』における響子さんのような複雑さはなかった。
高橋留美子というと『うる星やつら』や『らんま1/2』といったギャグテイストの強い作品が代表作になっているが、個人的にはあのノリは肌に合わない。
それでも『人魚の森』や『めぞん一刻』、各短編などで幅のあるところも披露しながら、デビュー以降、一度も低迷期がないのは流石に巨匠である。
唸るしかない。
全4巻。
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