洋画 / ミスター ベースボール
★★★★☆
トム・セレック、高倉健が主演する野球映画。
衰えの見え始めたメジャーリーガーが中日ドラゴンズにトレードされる。最初は好調な成績だったが、スランプの上にカルチャーショック、い苦しむ彼は厳格な日本人監督と衝突してしまう。
まず触れねばならないのは、高倉健の役どころ。明らかに第一次政権時の星野仙一がモデルになっているのは、誰の目にも明らか。
むしろ星野仙一よりもインテリジェンスも感じさせる流石の演技である。
実在するチームが舞台になっていることもあり、物語に入り易くなっている。
描かれているのは、日米の野球感の違い。
古くはヤクルトスワローズ在籍したボブ・ホーナーが『地球に裏側にヤキュウという呼ばれる見知らぬスポーツが存在した』とコメントしたり、ジャーナリストのロバート・ホワイティングの著書でも分かるように、少し前まで日米の野球感のギャップは埋め難い現実があった。
そんな時代背景をもとにアメリカ制作である本作は、日本球界をコミカルかつチープに描いている。
そこに面白さがある一方、一抹の寂しさも残る。
最終的には主人公のメジャーリーガーが日本野球と解り合うというオーソドックな展開となっており、クライマックスも日本野球を象徴したものになっていて、なかなか面白い。
主演二人の好演が光る映画。
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