洋画 / ランボー ラスト・ブラッド

★☆☆☆☆
ランボーシリーズの5作目。
3作目以降の出来が余りに酷かったため、期待は殆どしていなかったが悲しいことに予想通りの出来だった。スタローンの大ファンである私でも擁護のしようがない。
前作で戦場から離れ故郷のアリゾナでささやかな生活をおくるランボー。実の娘のように可愛がっていたガブリエラがメキシコマフィアに拉致されたことから再び武器を手に取る。
この時点でスケールの小ささは否めない。老年に入ったランボーに戦場は厳し過ぎるということからの選択だが、この判断であればシリーズを継続する必要はなかったと思える。
この作品にジョン・ランボーはいない。その風貌も覚悟も別人と化したランボーを騙る男がいるだけである。もう企画の時点で破綻している。この設定でランボーは必要ない。
脚本も全くもって酷い。ランボーが戦いを決意するまてが長いことこの上ない。その過程も只々悲惨なだけで観るのが辛い。前半で娘との幸せな交流を丁寧に描いていれば、かなり違っていたはずだ。
最後のマフィアとの対決もグロいだけで酷い。
3作目以降のランボーはグロさ=リアリティと勘違いしている節が強く、ドラマを描く点において著しく劣る。1作目、2作目は祖国との関係性を問いかけているのに対し、3作目以降はテーマがなく、グロさだけである。
ロッキーシリーズにはテーマがあり、何よりもロッキー・バルボアの人生を描いたドラマがある。
魅力的なランボーのキャラクターだか、シリーズを支えるドラマの欠落が致命的だった。
スタローンの大ファンだか、もうランボーはいい。5作目目まできて、すっかり薄味になったシリーズの巻き返しは無理だろう。
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