エッセイ / 間抜けの構造
★★★★☆
タイトルからの先入観で、世の中の矛盾を毒舌で切る内容かと思いきや、さにあらず。
テーマは『間』。
笑いにおける間。議論における間。スポーツにおける間。演技や映画における間。
間を埋める。間を置くといったタイミングの大切さを切々と語る文章に北野武の人間性を垣間見るようである。
間を読むということは、相手の思いを汲み取らないことには始まらない。
若い頃は無茶苦茶だったけど、人のやったこのないことをやり続けた結果、行き着いたのは『謙虚の大切さだよ』というメッセージを強く感じた。
本のタイトルにも現在のビートたけしの照れと謙虚さが感じ取れる。
『間抜けの構造』=『北野武の構造』
そんな呟きが聞こえるようだ。
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