ノンフィクション / U.W.F.最強の真実
★★★★☆
UWFインターナショナルでレスラー兼フロントとして活躍した宮戸優光の著書。
まずUWF系のノンフィクションを読むと必ず『新日本プロレス時代』を眩しい青春の日々として振り返っている。
前田日明や髙田延彦、船木誠勝などの本を読んでも、共通して新日本プロレス時代をもう戻ってこない青春の日々として描かれている。
なんだか切なくなる。
皮肉にも彼らをスターダムに押し上げたUWF以降、そのエピソードは苦労や確執といったゴタゴタが大半を締めている。
時代を彩ったスターたちが口を揃えて語る『新日本プロレス時代の光』と『UWF時代の影』。
光を飛び出した結果が影だったという結果には、いろいろ考えさせられる。
閑話休題。
本著だが、各時代においての苦労話、マッチメークのエピソードが豊富で飽きない内容となっている。
ただ、UWFインターナショナルの話題作りは少々強引なところもあり、正直真っ当な人間の考えることではない。
計画されていた高田vsタイソンの顛末など酷いものである。
折角、魅力的なレスラーが多いのにも関わらず、こういったフロントの暴走により潰れてしまったのは悔やまれる。
全体的に主観が入りすぎて公平性に欠けるものの、ひとつひとつのエピソードは読み応えはあった。
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