邦画 / 怒り
★★★★☆
ある殺人事件が起きてから一年後。千葉と東京と沖縄に素性の知れない三人の男が現れた。三人の過去は。殺人事件に関係あるのか。
容疑者三人を松山ケンイチ、綾部剛、森山未來が演じており、それぞれが独特の雰囲気を持ち、謎にグイグイと引き込まれる。
公開当時、特に評価されていたのが同性愛者を演じた綾部剛と妻夫木聡だったと記憶する。
しかし、私が一番唸ったのは宮﨑あおいの演技だった。
少々思慮の足りない迂闊な娘役をごく自然に演じ切っている。凄いの一言である。
喋り方や歩き方、所作の数々で『あぁ、なんて軽率な娘なんだろう』と状況ではなく、演技で伝えてきたところに何とも言えない凄みを感じた。
物語は三者三様の逃亡劇を丁寧に描いており十分楽しめたが、ネタばらしが少し唐突でインパクトに欠けた。
犯人探しを楽しむよりも、逃げ続ける男たちの悲哀を感じ取る映画だというのが個人的な感想。
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