小説 / 邪馬台国はどこですか?
★★★★★
鯨統一郎のデビュー作にして傑作の歴史ミステリー。
カウンターバーで繰り広げられる歴史談義。そんな中、驚きの奇説珍説を唱える男がいた。彼の主張をめぐってバーの夜は喧々諤々。
ブッタの悟り、邪馬台国の比定地、聖徳太子の正体、光秀謀反の動機、明治維新の黒幕、イエスの復活を俎上に載せ、非常に読み応えのある傑作。
どれも奇想天外な奇説ばかりなのだが、文献を交えその解釈の仕方により新たな視点を見出している。
読後、冷静になると『そんなわけないよなぁ』と呟いてしまうのだが、読み進めている間はその妙な説得力にドンドン引き込まれる。
個人的には『邪馬台国=岩手県説』『ブッタは悟っていない説』『イエス=ユダ説』は小気味良いくらいに楽しめた。
手軽かつ夢中になって読める快作である。
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