エッセイ / 大放言
★★★☆☆
『永遠の0』や『海賊とよばれた男』などのベストセラーで知られる百田尚樹のエッセイ。
読後、まず思ったことは『言葉の切り取り』の怖さ。
バッシングを受けた数々の発言も前後の文脈をしっかり読めば、大騒ぎするほどのものではない。
マスコミが過激な語句のみを切り取り、報道、喧伝することで大炎上が発生する仕組みには素直に同情する。
ただ、著者側もあえて過激な言い回しを選択している節もあり、作家という職業で他人に理解を求めるのであれば、『もっと素直になればいいのに』とも感じた。
言葉を生業にしているのでれば、もう少しデリケートになっても良いのではないか。
数々の社会問題についても、その背景などもよく勉強しているし、得るものも大きかった。
だからこそ、あえて敵を作る言い回しが惜しい。
0