邦画 / 秒速5センチメートル
★★☆☆☆
卒業と同時に離れ離れになった少年少女の淡い恋を描いた青春ラブストーリー。
『君の名は』で空前のヒットを成し遂げた新海誠監督の過去作品。
正直なところ、あまり好みの映画ではない。
息を呑むほどの背景美術の美しさが際立つが、人間描写がひどく幼く感じた。
特に気になったのは、登場人物の心象を全てモノローグで語らせてしまっている点。
少年少女の繊細さを表すならば、モノローグに頼ってしまっては駄目だと思う。
そこは登場人物の表情なり、間なりで伝えて欲しかった。
青春ものなら尚更である。
モノローグに頼った演出は、力不足の感が否めない。
ラストの山崎まさよしの歌のPVとして捉えるならば、カット割りや背景美術の質の高さは評価に値するが、制作サイドや監督自身の意図はそこではないはず。
しかし、『君の名は』以上の美しい背景美術は一見の価値はある。
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