邦画 / シン・ゴジラ

★★★★★
庵野秀明監督による過去のゴジラ作品への回答だと思う。
開始五分で疾走し始める物語。無駄を完全に取り払った構成は見事の一言である。
この映画の白眉は、ゴジラの驚異の伝え方である。過去のゴジラ作品は『ゴジラの破壊行為』で、その驚異を伝えようとしてきた。
しかし、庵野監督は受け手である『日本政府の右往左往するさま』を描くことによって迫力と緊迫感を醸し出してきた。
会議で迫力を伝えてくるという演出の妙とアイデア、それを成功させてしまう構成力に脱帽である。
つくづく庵野秀明という人物はアニメ作家に収まることのないクリエイターなのだなぁと実感する。それは過去作である実写映画『ラブ&ポップ』を観ても明らかである。
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