エッセイ / プロ野球怪物伝
★★☆☆☆
野村克也、晩年の選手論。
と言っても、大谷翔平の項以外は過去の著書と被る内容が多く、私のようにノムさんの著書を多く読んでるファンにとっては得るものも少ない。
大谷翔平の評論でもそうだが、ノムさんの凄いところは過去の実績や常識に囚われない点である。
自分の理解の範疇を超えていても、実績を残した選手に対してはそこから学ぼうという姿勢を常に持っている。
これは自らが実績を残している場合、なかなか出来ることではない。
こと技術論については、イチローであり、松井秀喜であり、ダルビッシュであり、田中将大でありと、平成を彩った選手に対してリスペクトがある。
だからこそ、選手から人望を集め、ファンから愛されたのだろう。
選手、監督として偉大な功績を残した野球人だが、個人的には『野村ノート』というプロ野球史の楔とも言うべき名著を残したことももっと評価されて然るべきと強く思っている。
あとは『打者・野村克也』としての技術書『野村のイチロー論』が氏の著書の中では双璧であると書き添える。
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