邦画 / クローズド・ノート
★★★★☆
女子大生、香恵が引っ越し先で見つけた一冊の日記。そこに綴られた小学校教師、伊吹の葛藤と恋。現在と過去の恋を結びつける一冊の日記に秘められた運命とは。
薬物事件の伊勢谷友介。数々のスキャンダルで芸能界を去った沢尻エリカ。そして、竹内結子。
それぞれが眩しいばかりの存在感を放っており、日本の映画界が失ったものは計り知れない。
伊勢谷友介は、その佇まいだけで画になる俳優だし、沢尻エリカもそのスキャンダルな私生活からは想像もできない純朴な女子大生を好演している。
そして、竹内結子だ。この映画の竹内結子は明らかに地味だ。その華のある笑顔こそはあれど、全体的に控えめな印象を与える。
しかし、それでいいと思う。この映画の主人公は沢尻エリカであり、その彼女も主人公らしい好演をしており、控えに回った竹内結子の演技があって光っている。竹内結子演じる伊吹が前面に出ないからこそ、その反作用で沢尻エリカが活きる。
このさじ加減が絶妙であり、流石は行定勲監督である。
私は、この映画を劇場で観たとき、脇にまわる竹内結子を初めて意識したのを想い出す。
そして、今、大きな喪失感を覚える。とても大きな。
+1